税理士法人アップライズ 自由が丘支社
インボイス制度をわかりやすく解...

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2024.08.21

インボイス制度をわかりやすく解説

2023年10月1日からインボイス制度が開始されました。
消費税の免税事業者が特に大きな影響を受けています。
インボイス制度とはどのような制度なのか、事業者としてどう対処すべきか解説します。

インボイスとは

インボイスとは、適格請求書のことで、販売先に対して消費税率と税額を正確に伝えるために従来の区分記載請求書に必要事項を追記した請求書のことです。

インボイスには、税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率、税率ごとに区分した消費税額のほか、適格請求書発行事業者としての登録番号を記載する必要があるため、インボイス発行事業者の登録申請を行い税務署から承認されている場合のみ発行できます。

インボイス制度開始後の影響

2023年10月1日にインボイス制度が開始されて以来、課税事業者と免税事業者はそれぞれ影響を受けています。

課税事業者

課税事業者が原則課税方式を採用している場合は、仕入先からインボイスが発行された分のみ、仕入税額控除が可能となっています。
そのため、仕入先がインボイス発行事業者でない場合は税負担が重くなります。
一方、簡易課税方式を採用している場合は、みなし仕入率により仕入税額控除ができるため、影響はありません。
なお、課税事業者でもインボイス発行事業者の登録申請を行うかどうかは任意ですが、販売先が仕入額控除をすることができなくなることもあるため、登録しないメリットは殆どありません。

免税事業者

免税事業者の場合は、インボイスを発行する必要はありません。
ただ、販売先が課税事業者で原則課税方式を採用している場合は、自社がインボイスを発行しないと、販売先の消費税負担が重くなります。
そのため、取引の見直し等が行われる可能性があります。
一方で、インボイス発行事業者となった場合は、自動的に課税事業者になってしまうため、消費税の申告と納税の負担が生じます。

免税事業者がインボイス発行事業者になるかの判断基準

免税事業者がインボイス発行事業者になることにより次のメリットとデメリットが生じます。

メリット 販売先が仕入税額控除が可能となるため取引を継続してもらえる。
デメリット 消費税の申告、納付の負担が生じる。消費税分の価格転嫁ができないために利益が減る。

免税事業者がインボイス発行事業者になるべきケース

  • 販売先が事業者のみの場合。
  • 販売先が消費者だけでなく事業者も含むなど不特定多数の場合。
  • 主要な販売先の事業者が原則課税方式を採用している場合。

免税事業者がインボイス発行事業者になる必要がないケース

  • 販売先が一般消費者のみの場合。
  • 主要な販売先の事業者が免税事業者や簡易課税を選択している場合。

インボイス制度の注意点

インボイス制度を利用する際はいくつか注意点があります。

インボイスは7年間保存義務がある

インボイス発行事業者は発行したインボイスの写しを保存する義務があります。
また、販売先も仕入税額控除の要件としてインボイスの保存が義務付けられます。
保存期間はそれぞれ7年間です。

免税事業者がインボイス発行事業者となった場合は2割特例がある

インボイス制度を機に免税事業者がインボイス発行事業者となった場合は、3年間消費税の納付税額を売上に係る消費税額の2割とすることができる特例があります。
特例の利用を忘れないようにしましょう。

まとめ

免税事業者はインボイス発行事業者となることにより、自動的に課税事業者となり、消費税の納税義務が生じるなど大きな影響を受けてしまいます。
インボイス発行事業者となるべきかどうかは状況により異なりますので、迷っている方は税理士等の専門家にご相談ください。

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